医療ケアとは |
養護学校で重い障害の子どもたちを受け止めていくために現場から生まれ(1980年代)、文科省も認めてきたことば(1998年) |
1.痰の咽頭手前の吸引 2.経管栄養 3.自己導尿の補助 |
保険診療における在宅医療として認められている、あるいは日常的に行われている医療的生活介護、補助介護 |
[必要とされる要件] |
1.その行為が必要であると特定の対象児・者に限定 |
2.その行為は、日常的におこなわれる行為である |
3.本人もしくは親権者の依頼、委託があること(例:養護教員・ヘルパーなど) |
4.医師の同意書とし指示、継続的指導がなされること |
超重症児とは |
超重症児は点数化されており、スコア25点以上が超重症児、10〜24点が準重症児となる(鈴木ら1995) |
成長に伴う問題 |
側彎の出現 |
脳性麻痺や脊髄性筋萎縮症(SMA)など、筋緊張に異常をもつ場合には、身長が伸びる時期に脊椎を支える筋肉の筋力低下やバランスの異常があると側彎が生じ、進行する 側彎が進行すると呼吸機能が低下したり、正しい姿勢での食事が難しいため誤嚥の危険性も増える |
呼吸の障害 |
呼吸障害と嚥下障害 呼吸障害がある場合、摂食や嚥下の障害を考える必要がある 吸引などの医療的ケアが必要になる |
呼吸障害の原因 閉塞性換気障害 空気の通る気道のどこかが狭くなっている場合 (例:舌根沈下) 拘束性換気障害 肺をうまく膨らませられない場合 分泌物の貯留・誤嚥 → 閉塞性の一つ 中枢性呼吸障害 → 拘束性の一つ |
チューブ栄養(経管栄養) |
口から食べるのが難しいときに、水分・栄養をとる方法の一つで、チューブ(管)を利用する |
〜経管栄養の種類〜 1.経鼻胃管:胃からチューブを胃まで入れる 工夫して腸まで入れる場合もある 2.胃ろう:直接腹壁から胃にチューブを入れる 腸まで入れる場合もある 3.口腔ネラトン法:間欠的な経口栄養法で、飲食のときだけチューブを口から胃まで入れ、普段は抜いている |
胃食道逆流症(GERD) 胃の内容物が食道に逆流 逆流の結果、食道炎で出血したり、胃内容物の誤嚥を生じたり、肺炎になったりといった問題が生じている状態 |
重症心身障害児・者に関わる側に求められること |
・ 理解と援助 その時その時の「普通の生活」をまず保障する そして、もっている力を十分発揮できる環境を整える 発達経過を支えるにあたってのQOL(生活の質)を考える |
・ 理解と共感の中で 障害の重さに関わらず、外界と交流して自己の世界を築くことは当たり前 意味の了解が難しくても、わかろうとする姿勢が大事 障害者と援助者との「共感」という関係形成の過程が、自己の生活世界の形成につながる |
・ 生活援助の視点 自立と自己実現を阻むものを理解しなければならない 生活・意思表示すべてが身体表現であることを受け止める |
・ 社会参加 ICF(WHO、2001年からの生活機能と障害の国際分類)では、個人の生活機能は、その関係に よって規定され、その関係の在り方により、軽くも重くもなる 特に社会参加の制約は社会的環境要因の影響がより大きな比重を占める 高度な医療的ケアの実践では、周囲の理解と協力がとても重要 |
実技講習 |
経管栄養・胃ろう・気管支切開の共通注意事項 ・ 手指消毒(石鹸→アルコール) ・ チューブの衛生を保つ ・ 吸引のタイミング ポイントに着くまでにチューブの圧を指で止める ・ 経管栄養と胃ろうのチューブの確認 |